昨年夏の試験の後、重篤な「英語見たくない病」に罹患してしまい、雑誌を読むのも苦痛、という症状に悩まされていたんだけど、数ヶ月たってようやく回復したらしい。
年末あたりから突然英語の本を読みたい気分になって手当たり次第読みちらしている ↓ いつぞやのブログでも触れたこれ(邦訳も出てます) 作者のランス・アームストロングについてはこちらに詳しく書いてあるけど、 この作品は彼がレースで大活躍しているさなかに癌を宣告され、癌を克服して、 さらにその後レースで復活する過程を書いている自伝です。 常人には想像もつかない精神力にただただ驚くばかり。 でも、読み終わる最後まで、この人を好きになれなかったなあ。。。 どうしてかな。 病気にかかったことは人間らしい一面だったといえるけど、どうもカンペキすぎるというか、 チャーミングに思えないのよね。。 お人柄が。 好みの問題ですな。 ↓ アンリ・シャリエールの「パピヨン」(河出文庫から邦訳も出てます) それと比べて、この自伝(自分で書いたものではないと言われているらしいけど)の主人公のなんとチャーミングなこと。 無実の罪で終身刑として投獄されて、13年後に脱獄に成功するまで、何度と無く脱走を試みては失敗し、それでもいつかは必ず自由を手に入れるとあきらめないその体力と精神力に圧倒される。 じぶんがどんな辛い状況にあっても、彼よりひどい状況にはならないだろうなあと思うと、 へこたれそうになったときに思い出すと彼に勇気をもらえる気がする。そんな作品。 男性の好みのタイプを聞かれて、たまに「無人島でも生きていけそうな人」っていう人がいるけど、 パピヨンはそれを地でいったオトコです! ちょい悪だけどカッコエエ~~ ↓ ヘミングウェイの「移動祝祭日」孫ショーンによる修復版 邦訳はまだ出ていないですが、そのうち出るでしょう。 ヘミングウェイがまだ無名で超貧乏だった20代の頃に住んだパリ時代を綴ったエッセイ集。 彼の死後、1964年に最後の奥さんメアリ(彼は4回結婚してます)の編集で出版されたものが長年詠まれていたわけだけど、 昨年、孫のショーン(二番目の奥さんポーリーンの息子)によって、ヘミングウェイ本人の意図に忠実に、という趣旨で出版されたもの。 この作品、私がヘミングウェイにはまったきっかけとなった思い出深い一冊。そんな思い入れもあって今でも、彼の作品の中ではダントツに好きです。 この版の出版を知って、いつもはAmazon.comでお手軽かつ安価に本を購入する私だけど、 ヘミングウェイに敬意を表して、ある寒い週末にRizzoli書店まで歩いて行って買い求めた(笑) さすが品揃えのセンスがピカイチなRizzoli、メインコーナーに平積みにしてありましたよ! 全ての文学作品の中で、一番読み返し回数の多い作品だと思うけど、久しぶりに読むと またあらたなしみじみとした感慨につつまれる。 砂糖抜きのダイキリに闘牛に魚釣りに、とマッチョなイメージの強いヘミングウェイだけれど、 この作品はそんな彼の繊細(神経質にも思える)な一面を感じられる素敵なエッセイ集だ。 若いころに住んでいたパリでの友人たちとの交流や、収入を得られる新聞記者を辞めて芽が出るかも分からない文学に専念する、その想いなどを自殺する少し前に、回想して綴ったもので、 若かりし頃の自分とその頃につつましく一緒に生活していた家族を見つめる視線が なんともいえず懐かしく暖かくて、じんわりとした感慨がわいてくる。 一方で、彼の友人(スコット・フィッツジェラルドとか、ガートルード・スタインとか、著名な人々もたくさん登場する)に関する描写がものすごくドライで(歯に衣着せずとはこのこと)、そして生き生きとしていて、今も彼ら彼女らが同じ時代に生きているような気分にさせられる。 中でも多くのページをさかれている(困ったちゃんの)フィッツジェラルド、久しぶりに読んでみたくなりました。ゼルダの伝記も随分前に読んだけど、また読み直してみたいなあ。 上の3作品とも、意識して選んだわけではないけれども、それぞれの難しい状況を それぞれの前向きさ加減であきらめず生きる、そんなことが大きなテーマになっている。 「あきらめなさんな」っていう天国のおばあちゃんからのメッセージなのかなー (って何を? 笑) これから↓ これを読みます。 読み終わったらまた感想かきまーす(いらんて? 笑)
by auge1205
| 2010-02-01 03:25
| tawagoto
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